瑞希君はしばらく私を見つめて…

突然私の両手首から手を離し、ばたばたと保健室から出て行ってしまった。


「あ…」


フリーズする。訳がわからない。


「ぁ…………」


しばらくしてからやっと我に返り、ベッドから起き上がる。

瑞希君に抑えつけられた両手首を見つめる。

何故か、圧迫されたことによる痛みとは別の熱さがそこに存在して、私の背中をぶるっと震わせた。





手首を顔の前に持っていき、


そこに、キスをする。


何故そうしようと思ったのかなんて、わからない


ただ、どこか、


物足りなさを感じただけで―――








切り傷の処置は、自分でやった。
その後私は体調が悪いと言い、早退した。