One Single Color

保健室に行くまで、大森君はずっと大丈夫?痛くない?と聞いてきた。

絆創膏貼るだけでいい傷なのに…でもそんなに心配してくれて嬉しい。


「あれ? 先生がいない」


見ると本当に誰もおらず、保健室はしんとしていた。


「と、とりあえず、そこ座って!」


大森君は私を背の無い椅子に座らして絆創膏を探し始めた。

…と思いきや、先生の椅子に座ってこっちを心配そうに見てくる。


「ど、どうすればいいかな?」

「大森君、大丈夫だって。こんな傷、舐めとけば治るよ」


私は冗談を言ったつもりだった。けど大森君はそれを聞くと何も言わず私の手に視線を落した。


「舐めろ…って事…?」

「え?」


大森君はそう呟くように言うと、ゆっくりと私の手を自分の顔に引き寄せた。

ぺろ… ぺろ、ぴちゃ…

なめらかな水音が保健室に響き渡る。


「ん、やぁ…」


眼を閉じながら私の手を舐めてくる大森君はとても綺麗で…。とても抵抗なんてできなかった。

ちゅ、と音を立てて大森君の唇が離れた。

でもすぐに戻る。けど今度は関係ない手の平を舐めてきた。


「や、やぁ…。おおもり…くぅん…」

「…足りない」


大森君は突然私をベッドに押し倒した。