One Single Color

「藍音、次なんだっけ」

「美術だよ」


そっか、と言って私は素早く準備を始める。

美術室に着いた。

美術は私の大好きな科目。意味がわからない数字とかでてこないから。


「痛っ」


画用紙を取ろうとしたら手を切ってしまった。


「どうしたの、瑠璃子」


藍音が聞いてきた。


「紙で手、切っちゃって」

「うわぁ、痛い」


確かにこの…えーと親指と人差し指の間のモモンガの羽みたいなところが痛む。

「瑠璃子、どうしたの」


通りすがった大森君が後ろから声をかけた。


「切っちゃて、ほら」


私が傷口を見せると、大森君の顔がさぁっと青くなっていった。


「大変だ!! 先生、瑠璃子が、瑠璃子が!」

「何だ。ああ、手ぇ切ったのか。大森、保健室に連れて行ってあげなさい」

「大森君、行こ」


私は大森君と保健室へ行くことになった。