私の名前は高坂瑠璃子(ｺｳｻｶ ﾙﾘｺ)。


フツーの中学に通うフツーの女の子。ちなみに二年生。


「わぁお！」

「きゃああ！！」

「あははっ！　もう、いい加減ドッキリくらい慣れてよね？　あたしたち初めて初め
て会う人でもないのに」


通学路である住宅街の曲がり角から突然脅かしてきた親友に私は文句を言おうと怒ったふりをする。


「もうっ！　びっくりするからやめてっていつも言ってるでしょ藍音！」

この子は私の親友、池谷藍音(ｲｹﾀﾆ ｱｲﾈ)。でこ出しのお団子ヘアーが似合う明るい子。

「でもさ、瑠璃子ってけっこうマゾじゃん？　あたしは瑠璃子のために…」

「そっ、そんなことない！」

「え～！？　でも瑠璃子が好きになる芸能人っていっつもＳっぽいっていうかさ～！　だってそうでしょ！？」


違う、と言いたいところだけど当たってるから言い返せない。


「おでこを隠したセミロングのボブヘアー、強く攻められたら反撃できないタイプですね？」

「占い師かってーのっ」