「あぁ。もう8月出しね~。夏真っ只中じゃん。」
笑いながら私が言うと、向葵は「はぁ」っと溜息をついた。
「あぁ。夏って1番嫌いなんだよね~。暑いし、化粧落ちるし・・・はぁ」
「あれ?向葵、去年の冬は「冬って1番嫌いなんだよね~。寒いし、化粧するとマフラーにつくし。」って言ってなかったっけ?」
「え~。それは、それ。これはこれだよ(笑)」
調子いいなぁ。向葵っていじると面白いんだよね(笑)
面白おかしくしゃべっていると、急に後ろから少し低い声に呼び止められた。
「櫻井!!」
誰だろう?
振り返るとさっきまで、窓の所でじゃべってた田中くん。
「どうしたの?田中くん?」
「あっ!!用あるの俺じゃなくて、陸だから。」
「やっ!?いいって。」
顔を赤くしながら言う、藤堂くんを面白そうに笑いながら田中くんは前に出す。
なんか向葵もにやにやし始めてきた・・・
「ほら。言ってこい。ばか陸。」
藤堂くんは自分よりも身長の大きい田中くんに、力負けしたのか前に出てきた。
