"私は王子様に恋をしているんだ。"


そう気づいた、あの日から数日。






特に進展も、会話も、目が合うことも無いまま、時間だけが流れた。



いつも、あの車両には乗るものの、私が王子様を一方的に見つめるだけ。






「王子様も私を意識したりしないのかなぁ..」


だって、話したんだよ?

ちょっとくらい私意識したりするもんじゃないの?




「バカねー。そんな本当に少し話したくらいで意識する?ありえませーん」



「もうっ、そんな否定しなくてもいいじゃんー!」



隣から私の独り言に返事をしてくる美保。