『うわぁあーん!!』 懐かしい夢。 『悠くん、泣かないでよ、悠くんってば……』 『おと、うさ…おかあ、さ……』 悠くんはずっと泣いてて、あたしも泣いてて。 お爺ちゃんが優しく抱き締めてくれた。 『大丈夫、悠と結愛にはじいちゃんがいるからな。今は、たくさん泣いたらいい。』 お爺ちゃんはそう言いながら、お父さんとお母さんの形見でもあるバスケットボールをあたしと悠くんにくれた。 あたしと悠くんにとって、バスケを始めたきっかけで、宝物のボールを。