「悠くん、泣きすぎだよ~。」
「う、うう、だって……」
「どっちがお兄ちゃんだよ。」
「そうだぞ!!俺まで、つられてまた泣いちゃうだろう~!!!!」
「颯汰、そこかよ……」

ずっと泣き続ける悠くんを見て、さっきまで号泣していた先輩達も苦笑しながら悠くんの頭を撫でる。

「何だよー、そんなに寂しい?」
「う、ぐずっ、……寂しいですー……」
「あはは、可愛いこと言ってくれるじゃない。よしよし。」
「……そんなに、泣くな……」
「もう~、男の子でしょ!!」

悠くんをなだめながらみんなが笑う。

「久しぶりに泣いたもんねえ、悠くん。」
「う、うん……ぐずっ、そうかも。でも、もう大丈夫。」

涙をぐいっと拭いて、悠くんはいつもみたいに笑った。

「よし、それでこそ悠だ。」
「本当、悠ってゴールデンレトリバーみてえ。」
「何ですか、それ!!」

ワイワイするみんなを見てクスッ、と笑うと勇大先輩が咳払いをした。