「それから、蓮次!!いつも冷静であまり口数は多くないけど、バスケが上手くて女子からの人気も高くて、本当に完璧に近い奴が入部してきたなあ、とはじめは思ったよ。」
何も言えない……いや、言わない俺を見て、先輩は続けた。
「でも、誰よりもバスケが好きで、心の中に熱いものを持っていて。誰よりも仲間思いだっていうことが、よくわかった。」
「……先輩……」
ニッコリと笑って、先輩は俺達をぐるっと見回した。
「こんな俺に1年もついてきてくれて、本当にありがとう。全員可愛い、誇れる後輩だよ‼︎」
その言葉に、俺の目からも涙が溢れた。
「やったあ、レジまで泣かせたぞ、俺‼︎」
「…………黙って、くださいよ。」
「あはは、可愛い可愛い。」
頭をくしゃくしゃ撫でられて、いつもならすぐにその手から逃げるけど…今はそんなこともできないくらい目の前が歪んでる。
「……っこちらこそ……ありがとう、ございました……」
そう言うと少し目を見開いて、先輩はまた笑った。
泣くのを堪えてるような、それはそれはへったくそな笑顔だった。
「……下手くそな笑顔ですね……笑えてないですよ。むしろ……泣いてますよ、先輩。」
「うるせぇ、この野郎。」
「いて……」
コツンと額をこずかれた。


