隣のマネージャーさん。



第3クォーターがもうすぐ終わる。

……やっぱりインターハイ常連校の桜花は強い。

「……桐谷、準備しとけ。」
「はい‼︎」

返事をすると、ユニフォームを誰かに引っ張られた。

「………結愛?」

俺のユニフォームを引っ張ったのは、結愛だった。

「どした?」

何も言わないまま、まだ俺のユニフォームを掴んでいる結愛。

「……蓮次くん、」
「ん?」
「……勝ってきて、とは言わない。けど、できれば……勝ってきてほしい、なあ、って。」
「……くく、どっちだよ。」
「や、でもでも!!あの……」

どもりながらも結愛は何か言葉をまとめようとしている。

結愛を見たまま次の言葉を待つ。

「あ、あたしは……楽しくバスケをしてる蓮次くんが、みんなを見てるのが好きだから。後悔はしないで、楽しくバスケしてきてね!!応援してるよ!!」