「立ち止まるなー!!!!まだまだ巻き返せるぞー!!!!顔を上げて、前見ていけー!!!!」
コートに向かって叫ぶと、部員全員が俺の声にハッ‼︎としたように顔を上げた。
勇大先輩が俺の方を見てニッ、と笑った。
「ヒュー‼︎レジくん言うね~。」
「いいこと言うじゃないの!!」
先輩に背中をバシバシ叩かれたり、颯汰に頭ぐしゃぐしゃされたり……
全員やる気になったのはいいけど、これはどうなんだ、先輩の力強くて背中痛いし……
そんな俺を隣でポケーッとした顔で見ている結愛。
見上げながら口開いてるし、何かこういう動物いたな……
とりあえず、その顔可愛すぎるからやめてほしい、心臓に悪いから。
「……結愛、口開いてる。」
「え、ふぇ!?あ……」
慌てて口元を抑える結愛。
……そのちまちました動きが小動物みたいで可愛いんだっての、ってまた何を考えてるんだよ俺は。
「いや、蓮次くん、かっこいいこと言うなーっと思って……」
えへへ、と笑った不意打ちの言葉と笑顔に、体温がぐんっと上がるのがわかった。
…………この天然め。


