キュッ、キュキュッ!! シューズが床に擦れる音がして、あたしはコートに目を向けた。 ダム、ダムダムッ!! ギュキュッ!! 「っ!!」 「ぬ、抜いたああ!!!!」 勇大先輩が瞬ちゃんを抜いたと同時に、観客席からもワアッと声が上がる。 「さすがキャプテン!!!!」 「ほら、言っただろ!!」 「すごい、すごい!!」 瞬ちゃんは驚いたように先輩を振り返りながら、楽しそうに口角を上げた。 …………あ、 瞬ちゃんのスイッチが、入った。