「それでは、インターハイ出場予選Aブロックの決勝戦を始めます。礼っ!!!!」

「「お願いします!!!!」」

お互いが一礼して握手を交わす。

観客席からもいろいろな声援が飛び交っている。

「よろしくね、桐谷くん。」

俺の目の前にスッと差し出された手をたどって、顔を見る。

「……こちらこそ。」

そう言うと、夏川さんはまたニコッと笑った。


「悪いけど、負けるわけにはいかないからね。ウチが勝たせてもらうよ。」
「こちらこそ、勝たせてもらうんで。」

そう強気な言葉で返すと、夏川さんは頷きながらまた笑った。

相手のチームの部長と勇大部長が挨拶をして、審判の人と出場メンバーの確認をしていた。

「桜花は誰が選抜メンバーかな?」
「さあな……とにかく、誰が出てもおかしくないだろう。」
「ですよね~。」
「挨拶した時も全員強そうな人達ばっかりだったからな!!」

そんな会話をしていると、勇大先輩が慌てた様子でベンチに帰ってきた。