「今日はレジと話せて良かったよ。」
「俺も。んで、お兄さんの怪我は良くなったのか?」
俺も立ち上がって聞くと、叶多は笑って頷いた。
「良くなったよ。今は結婚もして、仕事してる。」
「そっか…てか、お前って兄弟2人?」
「いや、4人兄弟。俺は3番目で、さっきの話しは1番上の兄ちゃん。2番目はサッカーしてて、弟は今入院中。体弱くてさ、ほぼ毎日部活の帰りに病院に寄ってるんだ。」
だから一緒に帰らないことが多いのか、と納得。
それにしても、まさか4人兄弟だったとは……想像以上だった。
「あ、でも明日で退院できるんだ。俺は試合出ないって言ってんのに、『兄ちゃんのバスケ仲間見たいから』ってさ。」
「いい弟じゃん。」
「まぁな。レジは一人っ子だろ?」
「……やっぱり、わかるのか。」
そんな会話をしながら、俺と叶多は公園を後にした。
叶多が言った通り、周りの期待等がプレッシャーとなってたまに苦しくなる時はある。
でも、信じてくれて、無理はするなと言ってくれる仲間がいるから、俺は楽しくバスケができてるんだ。
「まぁ、無理だと思ったら悠に代わってもらえよ。アイツ、ベンチでめちゃくちゃウズウズして試合観てるからさ。」
「マジかよ…」
「あ、結愛もめちゃくちゃレジのこと見て応援してるけどな。」
トクンッ…
“結愛”って名前に、また俺の心臓が反応した。


