荷物をまとめて予選会場から出ながら、先輩達は予選の各ブロックの決勝戦に勝ち進んだ学校について話していた。
「Aブロックからは俺等、Bは栄徳でCは桜花。それと、Dの星蘭か…」
「何か、どれも学校の名前かっこよくね?星蘭とか……」
「そこではないだろ…バスケの実力が重要だろう。」
「そうよ、タク。」
「何だよー、カズもミーコも堅いこと言っちゃってさ‼︎」
「まぁ、どこも強豪校だしな。」
そんな会話をする先輩達の後ろを歩く俺達1年に、勇大先輩が振り返って言った。
「いつも荷物運びしてくれてありがとうな。全員疲れてるのにな。」
「そんな、全然ですよ‼︎」
「声張って応援してるだけなんで、まだまだ元気っすよ!!」
「俺もですよ。今からバスケしたいくらいです。」
笑いながら勇大先輩に言う颯汰達。
「俺だって、まだへばってませんよ。」
「もうー、勇大はみんなのお兄ちゃんを通り越して、お父さんよね。」
「んー?いや、何かいつも悪い気がしてさ。本当、ありがとうな。」
もう一度、勇大先輩はそう言って優しく笑った。
やっぱり、部長はすごく心が広いな……


