荷物を指定の場所に置いた後、みんなはアップをするために会場の通路に出た。
アップをするのは他校も変わらないことで、通路も会場の外も他校のバスケ部で賑やかだった。
「じゃあ、俺等はここでアップ始めるぞ。なるべく邪魔にならないように場所詰めて。」
勇大先輩の指示でアップを始める部員達。
都子先輩はストップウォッチと時計を交互に見ながらアップの手伝いをしていて、美姫先輩は試合のプログラムを見たり、メンバー表の確認をしていた。
あたしはというと、ちゃんと全員分のタオルやドリンクがあるか数を確認したりしていた。
「結愛ー、監督が呼んでるわよ‼︎」
「あ、はい‼︎」
都子先輩があたしを呼んだから急いで監督の所へ行くと、美姫先輩とメンバー表を見ながら話をしていた。
「…ってことだから、よくアップするようにベンチのメンバーにも言っとけ。」
「はい、手を抜いたら絞めるって言っときます‼︎」
「そこまではしなくてもいいが……」
まぁ、いいか。と呟いて、あたしに気づいた監督は手招きをしてあたしを呼んだ。
「結愛、お前は他校のバスケ部の試合を見てこい。試合が始まる30分前くらいに帰ってきて、俺と策略考えるぞ。頼りにしてる。」
「…はい!!」
監督からプログラムをもらって、あたしは観客席に向かった。


