…翌朝…
「ついにきたな…予選の日。」
予選会場につくと、他の学校のバスケ部や応援に来た生徒やOB、OGの人達で賑わっていた。
「うわぁ…何か緊張してきた…」
「おい、何で颯汰が緊張するんだよ?」
あはは…と苦笑いする颯汰くんを見て小さく溜め息をついた蓮次くん。
でも、蓮次くんの横顔も、先輩達の横顔もいつもと違って緊張感があった。
「ん〜‼︎久々だな〜この緊迫した空気吸うの。」
「…だよな、もう試合始まってるしな。」
ヤス先輩もダイ先輩も、緊張感のある会話をしている。
でも、何だろう……
ちょっとだけ、楽しそうな顔してる気がする…?
「楽しみだな。なぁ、勇大、カズ?」
タク先輩は試合が待ちきれないというような口調で言うと、カズ先輩がそんなタク先輩を見て言った。
「……あぁ。早くボールに触りたい…」
「だよなー‼︎」
カズ先輩は目を細めて柔らかく、強い瞳をしながらタク先輩を見てフッと笑った。
「んー、この緊迫した空気好きだなー。早く試合してぇなー…」
ニコニコしながらすごいことを言う勇大先輩を、3年の先輩達は笑いながら見た。
やっぱり、3年生はすごいなぁ……


