隣のマネージャーさん。



いろいろとあったけど、何事もなかったように颯汰くんも爽ちゃんも楽しそうに過ごしていた。

「爽ちゃん。あとちょっとで練習終わるからね。」
「うん‼︎」

爽ちゃんはニコッと笑うと、コートの中の颯汰くんを見つめた。

本当に、颯汰くんのこと大好きなんだなぁ……

「よし、今日の練習はここまで。あと1週間で予選が始まるからな。無理はせず、だが気を抜くなよ。」
「「はい!!ありがとうございました!!」」

挨拶を済ませて監督が体育館を出て行こうとした時、

「あ、待って‼︎バスケのおじちゃん!!」

爽ちゃんがそう言って監督のところへ走って行く。

「ん?」
「はい、これ、あげる!!」

爽ちゃんが渡したのは、監督の似顔絵だった。

「ありがとな、爽ちゃん。」
「えへへ〜。ねぇねぇ……また、遊びに来てもいい?」
「あぁ、いつでも来ていいぞ。兄ちゃんより礼儀正しいしな。」
「監督、それは余計ですよ!!」

監督はふっ、と笑って爽ちゃんの頭を撫でた。

「ありがとう!!」

爽ちゃんは嬉しそうに笑うと、颯汰くんのもとに走って行った。

それを見た監督はまた笑って、体育館を出て行った。