お昼を食べながら颯汰くんはいろいろと話してくれた。
お父さんの顔を見たことも、誰かもわからないこと。
爽ちゃんとは腹違いのこと。
お母さんからの暴言、暴力がエスカレートしたこと。
他に身内がいないこと。
監督もその場でお昼を食べながら話を聞いてくれていた。
「颯汰…気づいてやれなくて、ごめんな。」
「何だよ〜、レジが謝ることじゃないだろ?まぁ、最近は家にいないことが多いからちょっと安心してたんだけどな。」
「……これから、どうするんだ?」
カズ先輩の問いかけに、颯汰くんは腕を組んでう〜ん…と唸った。
「うぅ…ソウちゃん、べろ噛んだぁ〜‼︎」
「え、あぁ、赤くなってる‼︎」
「ふぇえ〜、痛い…」
「落ち着いて、気をつけて食べろよ?」
涙目の爽ちゃんの頭を撫でながら、颯汰くんは苦笑した。


