「お帰りください。でないと不法侵入、あるいは不審者で警察に連絡しますけど?」
監督がケータイを見せながら言うと、颯汰くんのお母さんは舌打ちをしてあたし達を睨んで帰って行った。
「ったく……お前等なぁ、予選前の大事な時に問題を起こすんじゃねぇよ。」
「すいません、お、俺のせいです…」
そう言って立ち上がった颯汰くんに監督が近づいて言った。
「誰もお前のせいって言ってねぇだろう。まぁ、あまり大事にならなくて良かった。お前も少しは周りを頼れ、なっ。」
俯く颯汰くんの頭を監督がポンポンって優しく撫でた。
「っ……監督、これは…反則…ですよぉ〜…」
そう言った颯汰くんの頬を、涙が伝った。


