隣のマネージャーさん。



「ソウちゃん描けたー‼︎」

爽ちゃんはコートの中でプレーする颯汰くんを一生懸命に見ながら描いてあたしに見せた。

「上手だねえ。颯汰くん、きっと喜ぶよ!!」
「えへへー。」

嬉しそうに笑うと、爽ちゃんは大事そうにその絵を綺麗にスケッチブックから切りとった。

「ん?爽ちゃん、その絵は?」

切りとった絵の下に見える絵を、あたしは指差した。

すると、さっきまでの嬉しそうな笑顔が消えて、爽ちゃんは俯いて絵を見せた。

「これ……」

その絵は周りが黒く塗りつぶされていて、中に3人の人が描かれていた。

大きな男の子が、小さな女の子を守るようにしてうずくまっていて、その男の子の背中を女の人が叩いたり蹴ったりしているように見える絵。

もしかして……

「爽ちゃん、この人達は誰かな?」
「ママと、ソウちゃんとサアだよ。ママは怒るとね、サアのことぶったり蹴ったりするの。それを見て、ソウちゃんがサアのこと守ってくれるんだ。だから、ソウちゃんはサアのママでパパで、お兄ちゃんなの。」

爽ちゃんはそう言って、その絵をクシャッと握った。