「奈霧ー!」
研究室に戻る途中、空平の声で奈霧は振り返る。どうやら、追いかけてきたようだ。
「何のようだ」
「んーんー、忘れ物って思って」
「ああ、ありがとう」
奈霧は、何か忘れ物なんてしたか、と思考を巡らす。
瞬間、ひゅっと、奈霧の首に手刀が入る。正確にいえば、空平の右手の手刀が首に入る寸前で止まった。
反応遅く、奈霧はゆっくり息を吸い、肩を落とす。
「どういうことだ?」
「どうもこうも、もしも奈霧が主上の道を閉ざす敵になるなら、」
空平は、にやりと笑って、こんと軽く手刀をいれた。笑っているのに、気迫が凄くて奈霧は微動だにすることが出来ない。
「俺は、あんたの首を俺の手でぶった斬る、この首飾りなんかの前にな」
「おっかないな」
「以上、忠告の忘れ物でした。」
そういって、ひらひら手を振って去って行った。
空平に手刀を入れられた場所を痛くもないのに奈霧は触れた。
ーたすけて、
『助けてやるよ、当たり前だろ、お前は、俺の大切な人なんだから』
ぐっ、と拳に力をこめた。
あの子を助けるために、俺はこの誓いを立てたのだから。
もう後戻りなどする気はない。
ー…
研究室に戻る途中、空平の声で奈霧は振り返る。どうやら、追いかけてきたようだ。
「何のようだ」
「んーんー、忘れ物って思って」
「ああ、ありがとう」
奈霧は、何か忘れ物なんてしたか、と思考を巡らす。
瞬間、ひゅっと、奈霧の首に手刀が入る。正確にいえば、空平の右手の手刀が首に入る寸前で止まった。
反応遅く、奈霧はゆっくり息を吸い、肩を落とす。
「どういうことだ?」
「どうもこうも、もしも奈霧が主上の道を閉ざす敵になるなら、」
空平は、にやりと笑って、こんと軽く手刀をいれた。笑っているのに、気迫が凄くて奈霧は微動だにすることが出来ない。
「俺は、あんたの首を俺の手でぶった斬る、この首飾りなんかの前にな」
「おっかないな」
「以上、忠告の忘れ物でした。」
そういって、ひらひら手を振って去って行った。
空平に手刀を入れられた場所を痛くもないのに奈霧は触れた。
ーたすけて、
『助けてやるよ、当たり前だろ、お前は、俺の大切な人なんだから』
ぐっ、と拳に力をこめた。
あの子を助けるために、俺はこの誓いを立てたのだから。
もう後戻りなどする気はない。
ー…


