「ああ!!」
素っ頓狂な声を志臣があげた。
「即決すぎるよ、君。もっと悩んで…決めて欲しかったな。そんなんでは、いつか命をふいにしてしまうよ」
「そうかもしれなせん…でも、その覚悟は、もう、とっくにできているんです。」
志臣を見つめながら、翡翠の首飾りに奈霧は手を触れた。
「それに、俺らの主上は、失政などおかさない方ですから」
絶対の信頼、手綱を今手渡されたのだ。その重みに身の竦むような、いや、引き締まるような思いを感じ、志臣は頷いた。
「これで、運命共同体だ、おれは、お前を、いや、お前たちを頼るだろう、よろしく頼む」
「御意に」
空平は、気付かれないように溜息をついた。
困っちゃうよな、普段と全く風格が違うんだもん…
いつもはあれだけ頼りのない微笑みを浮かべ、自信なさげにしているくせに、こういった場面で必ず現れる頭角。
それがあるからこそ、空平も葉深もついてきたのだ。例え、周りの人間が馬鹿にしようと、近くの人間が愚鈍な王ではない事をわかっていたから。
だからこそ、叔父上に、帝位を渡してはならない。
あれこそ、霞榴国を窮地においこんでしまうだろう。
空平はちらりと奈霧を一瞥した。
「あの、研究室の方に戻ります」
「ああ、わかった。でも、こっちにもちょくちょく顔を出してくれ」
「はい」
そう言って奈霧は外へ出て行った。
ー…
素っ頓狂な声を志臣があげた。
「即決すぎるよ、君。もっと悩んで…決めて欲しかったな。そんなんでは、いつか命をふいにしてしまうよ」
「そうかもしれなせん…でも、その覚悟は、もう、とっくにできているんです。」
志臣を見つめながら、翡翠の首飾りに奈霧は手を触れた。
「それに、俺らの主上は、失政などおかさない方ですから」
絶対の信頼、手綱を今手渡されたのだ。その重みに身の竦むような、いや、引き締まるような思いを感じ、志臣は頷いた。
「これで、運命共同体だ、おれは、お前を、いや、お前たちを頼るだろう、よろしく頼む」
「御意に」
空平は、気付かれないように溜息をついた。
困っちゃうよな、普段と全く風格が違うんだもん…
いつもはあれだけ頼りのない微笑みを浮かべ、自信なさげにしているくせに、こういった場面で必ず現れる頭角。
それがあるからこそ、空平も葉深もついてきたのだ。例え、周りの人間が馬鹿にしようと、近くの人間が愚鈍な王ではない事をわかっていたから。
だからこそ、叔父上に、帝位を渡してはならない。
あれこそ、霞榴国を窮地においこんでしまうだろう。
空平はちらりと奈霧を一瞥した。
「あの、研究室の方に戻ります」
「ああ、わかった。でも、こっちにもちょくちょく顔を出してくれ」
「はい」
そう言って奈霧は外へ出て行った。
ー…


