「一体誰が…」
「皆目見当がつかないわけではないと思いますがねぇ」
空平はいつもと変わらないのんびりとした口調で言った。志臣は空平を呆れた目で見た。
「空平は疑心暗鬼すぎないか…?」
今度は空平が志臣を呆れた目で見る番だった。
「主上が人を信じすぎなだけですよ、ぶっちゃけ、王族も貴族も気にくわない人間ばっかじゃないですか、天神楽に従うようにみせて、主上に従うようにみせて、ほんとは舌舐めずりして狙ってる。欲にまみれたずる賢くて醜い奴ら。」
空平の瞳が暗い光を放つ。いつの間にか握られた拳には力が入っているのが見てとれる。志臣は空平から視線を反らす。前に空平の身の周りに起きたことは他人事ではなく、志臣が関与してなくとも責任の一端を持つことになったことだからだ。
空平が志臣を憎んでも仕方のない事だった、それほどの事が起きたにも関わらず、あの時と少しも変わらず傍にいてくれていた。
志臣が感謝してもしきれないほどだった。
志臣が死亡した場合、帝位は志臣の叔父である、光漓に譲り渡される。
まだ、巫女との間に子がいないためだ。
帝と巫女の間に出来た子供を正統と認めており、それが帝位を受け継ぐ資格となる。第一子を産んだ後から巫女の身体は衰弱を始め、やがて、天神楽へと還る。つまり、死に至る。帝位を受け継げる子は一代に一人しか生まれない。
帝は、巫女と違い、"紫族の業"をも受け継ぐため、還ることなく、永い永い時を歩むこととなる。
巫女を妃としている間は側室はとることは出来ないが、還ったあとは、後妻をとることができるようになる。
「皆目見当がつかないわけではないと思いますがねぇ」
空平はいつもと変わらないのんびりとした口調で言った。志臣は空平を呆れた目で見た。
「空平は疑心暗鬼すぎないか…?」
今度は空平が志臣を呆れた目で見る番だった。
「主上が人を信じすぎなだけですよ、ぶっちゃけ、王族も貴族も気にくわない人間ばっかじゃないですか、天神楽に従うようにみせて、主上に従うようにみせて、ほんとは舌舐めずりして狙ってる。欲にまみれたずる賢くて醜い奴ら。」
空平の瞳が暗い光を放つ。いつの間にか握られた拳には力が入っているのが見てとれる。志臣は空平から視線を反らす。前に空平の身の周りに起きたことは他人事ではなく、志臣が関与してなくとも責任の一端を持つことになったことだからだ。
空平が志臣を憎んでも仕方のない事だった、それほどの事が起きたにも関わらず、あの時と少しも変わらず傍にいてくれていた。
志臣が感謝してもしきれないほどだった。
志臣が死亡した場合、帝位は志臣の叔父である、光漓に譲り渡される。
まだ、巫女との間に子がいないためだ。
帝と巫女の間に出来た子供を正統と認めており、それが帝位を受け継ぐ資格となる。第一子を産んだ後から巫女の身体は衰弱を始め、やがて、天神楽へと還る。つまり、死に至る。帝位を受け継げる子は一代に一人しか生まれない。
帝は、巫女と違い、"紫族の業"をも受け継ぐため、還ることなく、永い永い時を歩むこととなる。
巫女を妃としている間は側室はとることは出来ないが、還ったあとは、後妻をとることができるようになる。


