莉津も明乎も同じ事を思ったらしく、納得していない顔をする。
外から入ってきた雛生たちに深く一礼した女は、
「銀様は奥の白蓮の間にいらっしゃいます。…ご案内致します」
そう言って進んでいく。その女は顔を隠していない。白い布で顔を隠す理由は確か、白官以外の人間と関わりを絶った印だ。白徭宮に入る人間は限られているため、わざわざ布で顔を隠す理由などないのだろう。
白い壁、白木の床、どうして、清浄な印象を与えるはずの白がこんなにも不健康な印象を与えるのか。
ちりん、ちりん、と歩く度なる鈴の音、たちこめる甘い香は一体どこから来るんだろう。
「ここでございます」
襖の横で正座し、開けてくれる。ちりん、とまた鈴の音がなる。
薄赤、薄青、薄紫、薄緑の幕が白官たちの手によってあげられる。しゃらんしゃらんしゃらん、とまるで何かの警告のように鈴が鳴った。
幕があげられても、奥には御簾が下げられているため、姿を見ることが出来ない。辛うじて影でそこにいるのだという事がわかるくらいだ。
なんて厳重なのだろうと思う。
「よく来ましたね。雛生さん、こちらへいらっしゃい」
柔らかい声が御簾の奥から響く。直接お目通りできるのは雛生だけだ。はい、と小さく返事をして御簾の中に入った。
外から入ってきた雛生たちに深く一礼した女は、
「銀様は奥の白蓮の間にいらっしゃいます。…ご案内致します」
そう言って進んでいく。その女は顔を隠していない。白い布で顔を隠す理由は確か、白官以外の人間と関わりを絶った印だ。白徭宮に入る人間は限られているため、わざわざ布で顔を隠す理由などないのだろう。
白い壁、白木の床、どうして、清浄な印象を与えるはずの白がこんなにも不健康な印象を与えるのか。
ちりん、ちりん、と歩く度なる鈴の音、たちこめる甘い香は一体どこから来るんだろう。
「ここでございます」
襖の横で正座し、開けてくれる。ちりん、とまた鈴の音がなる。
薄赤、薄青、薄紫、薄緑の幕が白官たちの手によってあげられる。しゃらんしゃらんしゃらん、とまるで何かの警告のように鈴が鳴った。
幕があげられても、奥には御簾が下げられているため、姿を見ることが出来ない。辛うじて影でそこにいるのだという事がわかるくらいだ。
なんて厳重なのだろうと思う。
「よく来ましたね。雛生さん、こちらへいらっしゃい」
柔らかい声が御簾の奥から響く。直接お目通りできるのは雛生だけだ。はい、と小さく返事をして御簾の中に入った。


