「でも、死ぬため、ここにいるんではありません」
希望を持って今を生きる。ここに住む人々が唯一できることだった。
「でも、アイツは喰われた、そうでしょう?」
空平が冷静にそう言い返すと、莉津はきっ、と睨んだ。水を差すようなその冷たい声はあの頃を否定するようだった。
「空平さんがそんな事言わないで!!」
空平をどん、と押し、莉津は踵を返してしまう。
呆気にとられる空平を明乎がくすくす笑う。ぽかんとしたその顔はあまりに間抜けで蒼官きっての才知と呼ばれる彼に似つかわしくない。
「おとなげなーい」
「そうだった?」
「過去じゃないのは、二人とも一緒のくせに、」
三人の中で一番の年長のくせに、あの事は、彼を過去へ帰らせてしまう。
『りーちゃん、アキちゃん、仲良く、ふたり、…しあわせになって…』
彼女の声は、今も確かに耳の奥に響く、どうして会えないのかと疑問を抱いてしまうほどに。
「あたり過ぎた、」
空平は観念したように、はぁー、とため息をつく。
「莉津、どうしちゃう?」
「数分くれ、追いかける」
「了解ーっ。護衛は任せといてくださいな、あ、莉津の場所はー」
「俺が一番知ってるから、大丈夫だよ」
明乎の声を遮って、空平が莉津の走っていった方向を追いかける。
「あららー」
必死じゃないですかぁ、と明乎はにやつく。
スキがない事で有名な空平が。
完璧人間にも弱味ってあるのねー、あんな遊び人のくせに。
先輩たちに言っちゃおー、と明乎は一人ほくそ笑んだ。
希望を持って今を生きる。ここに住む人々が唯一できることだった。
「でも、アイツは喰われた、そうでしょう?」
空平が冷静にそう言い返すと、莉津はきっ、と睨んだ。水を差すようなその冷たい声はあの頃を否定するようだった。
「空平さんがそんな事言わないで!!」
空平をどん、と押し、莉津は踵を返してしまう。
呆気にとられる空平を明乎がくすくす笑う。ぽかんとしたその顔はあまりに間抜けで蒼官きっての才知と呼ばれる彼に似つかわしくない。
「おとなげなーい」
「そうだった?」
「過去じゃないのは、二人とも一緒のくせに、」
三人の中で一番の年長のくせに、あの事は、彼を過去へ帰らせてしまう。
『りーちゃん、アキちゃん、仲良く、ふたり、…しあわせになって…』
彼女の声は、今も確かに耳の奥に響く、どうして会えないのかと疑問を抱いてしまうほどに。
「あたり過ぎた、」
空平は観念したように、はぁー、とため息をつく。
「莉津、どうしちゃう?」
「数分くれ、追いかける」
「了解ーっ。護衛は任せといてくださいな、あ、莉津の場所はー」
「俺が一番知ってるから、大丈夫だよ」
明乎の声を遮って、空平が莉津の走っていった方向を追いかける。
「あららー」
必死じゃないですかぁ、と明乎はにやつく。
スキがない事で有名な空平が。
完璧人間にも弱味ってあるのねー、あんな遊び人のくせに。
先輩たちに言っちゃおー、と明乎は一人ほくそ笑んだ。


