2時間ほどして、高速を降りた。
まだ真っ暗だったけど、4時を回っていた。


「優花、時期つくよ」
「ほんとぉ~?」
「うん、ほんと。」


高速を降りて40分したくらいの田圃だらけの村におばあちゃんは住んでいる。

5時きっかりにおばあちゃんちにつき、
5年ぶりにおばあちゃんに会った。
優花とお父さんがお風呂に入っているあいだ、私はおばあちゃんと話していた。
友達の事、学校のこと、彼氏の事。
毎日電話しているが、いざ会えば懐かしいものだ。
するとおばあちゃんが急に話を変え、

「ここから5分したところにね、静御前の墓があってねぇ」と言った。
「静御前?」
「源義経の恋人よ、知らないかい」

この時はなんにも関心のかけらもなかった。
ただ、源義経の恋人が静御前って名前、だけは脳裏に残っていた。