「おねーちゃん、いつつくの?」
「ごめん優花、時期つくよ。」

8月12日の夜中、私たち家族は家を出た。
遠く離れたおばあちゃんちにお盆を過ごすため。

川瀬 華那、高校2年生。
8歳の妹を5年間、母のように育てている。
母は5年前他界。
少し真面目な、友達が多い、ふつうの女子高生。
彼氏とは2週間前に別れたばかり。

夜中の車は疲れるのだろうか。
優花は私の膝で寝息をたてている。