「きれいな街だね」

「・・・」



「ごめんな、ミカ」


どうして、そんなこと言うの、
やっと、決心したのに・・。


「ミカ、俺と同じ夢を探してみないか」


涙が溢れてきた。

「バッカじゃないの。クサすぎるよぉ」

涙で信ちゃんの顔が見えない。


「ホント、バカだったよ。俺はもう二度とミカのこと、離さない」


肩を包むように抱きしめられた。



信じていいの?
ほんとに信じていいの?


強く抱きしめる信ちゃん。
身動きできないミカ。

それは苦しいぐらいだったけど
その苦しさが心地よかった。


ふたりを夕闇が包み、
街のあかりが優しくまばたきしていた。