「やばい・・・・」



「にゃあ」



「・・・・迷った」



ペタリ、と階段に座ると隣にいた白猫が飛び乗ってきた。何処かの入口らしき所だが、どこの入口かすら知らない。入ってきたドアの壁は一面、ガラスで太陽の光が注ぎ込んでいた。


階段を上がれば、真ん中か左か右に分かれているがどこを行ってもここに戻ってきてしまう。





・・・・・・、何故か。





「ここは迷路か・・・・?」




いつか迎えに誰か来るだろう、そう信じて待っていたが暇になり、白猫を弄りまわしながら待っていた。(真ん中の道をまっすぐ行けば、着くのだが・・・・)




「お前・・・・私の髪色とそっくりだな・・・・」


そういいながら自分の髪をそっとなでる。太陽に反射してキラキラと光っている。「にゃあ」と猫が鳴くとまた、弄りまわす。




ハクアラ族。銀髪に赤い瞳が特徴的な民族だ。ある夫婦を理由もなく殺したことで、戦争が勃発。見事、ハクアラ族が勝利しかものの、多くの犠牲者を出したため死刑執行したかった政府も、ハクアラ族は珍しい民族なため、死刑執行が出来ずに幕を閉じた。




そんな民族に生まれた私、親は戦争の『火種』にもなり『最初の犠牲者』にもなった。