俺は、華恋の話を聞いていた。
山内...、あいつ本当に何なんだよ。
華恋の両親を殺した?
しかもそれを、華恋に全部話したんだろ?
...華恋がどれだけ苦しんでるのか分かってんのか。
思い出したくなかった出来事を、無理矢理思い出させて...。
「───...それで、私のお父さんとお母さんを殺した、って...」
そう言う華恋は、小刻みに震えていた。
きっと、事故の事を思い出しているんだろう。
俺は、震えている華恋を抱きしめた。
「慶太っ...」
華恋は、俺の胸の中で泣いていた。
俺達が出会った時と同じように───...。