「では、わたくしは昼食の用意をしておりますから、用があればベルを鳴らしてくださいね。」 「はい。」 千代さんが出ていく気配がした。 私は少しため息をついた。 そして窓を開ける。 目は見えないけど、窓の位置くらい、覚えてる。 ふっ、と暖かい風が部屋の中に入ってきた。