ガチャン、と音がして、ドアが開いた。 「お嬢様!」 千代さんが、かけよってきた。 「ああ、ああ。千代はとても心配したんですよ。昼食の用意ができたので呼びにいったら、お嬢様がいないのですから!警察を呼ぼうとしたんですからね!どこに行っていたんですか⁈」 一気に言って、息を深く吸う千代さん。 「千代さん、ごめんなさい。少し桜並木の方に行っていたの。でも一人じゃなかったから、大丈夫。」 千代さんが首をかしげた。 「一人ではなかった…?誰と一緒だったんですか?」