そう言って、インターフォンを押す。
『はい。』
「あ、千代さん?私。」
『お嬢様‼‼』
千代さんがインターフォンごしに大声で叫んだ。
『少々、お待ちくださいまし‼すぐ行きます‼』
プツッ、と音がして切れる。
侑樹が恐る恐る聞いてきた。
「つかぬことをお聞きしますが、泉のお父さんの仕事って…?」
「ホテル会社の社長。」
「しゃ、社長⁈そのホテル会社って、もしかしてClear Lakeホテルじゃない…?」
私はうなずいた。
「ええ、そうよ。」
額にかかった前髪を手ではらいながら微笑んでみせる。
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