そう言われて座った席は、二人分座れるスペースごとに仕切りがついた机。



手元を照らすライトと、正面には小さいホワイトボードがあって、授業中に図や字が書けるようになっている。



「あれ…?」



イスに座ると、机の上に名札が置きっぱなしになっていた。


首に掛けられるタイプのもので、名前だけが書いてある。



【吉田 宙希】



ふりがながない…


なんて読むんだ?




「よしだ…ちゅ、ちゅうき…?」





「ひろき、です」




「っ!!」




男の人の声。

驚いて振り向いた。