「何かあったら言ってね」 「……先生、」 「何?」 「あたし何で存在してるのかな。 何で生まれてきちゃったのかな…」 あたしは涙声になりながら先生に尋ねた。 「幸せになるために生きてるんだよ」 先生はそう答えた。 「幸せ…?」 「そう。 俺たちは幸せを求めて生きてるんだよ」 幸せ…… 「先生、あたしにも幸せは訪れるかな」 「礼さんが生きていたら、 負けないで困難を乗り越えたら、 幸せは訪れるよ」 あたしの目を見てそう答えた。 先生は前を向いて、 家路を走らせた。