「ちょっと、礼?」 抱きつかれた陽が聞く。 「なぁに?」 あたしは抱きついたまま顔をあげる。 陽の頬は少し紅くなっていた。 「理性飛んじゃうから、離れて?」 「やだぁー…」 やだよ、もっとくっついてたいよ。 だってさっきまでの陽はみんなの王子様だったけど、 今はあたしだけの王子様でしょ? 「礼、キスしちゃうよ?」 「いいよ、キスして……」 陽はあたしの顎に指を添え、 影を落とした。