「なぁ、痛いんだけど……。
もっと優しくできねぇの?」
俺は恭哉の傷口に消毒液をぶっかけた。
「………っ!!」
痛みに耐えてるようだ。
「病院行かなくて平気か?」
帰りに寄ると言ったのに恭哉は断固拒否をした。
「病院行ったら明日の文化祭出れねぇじゃん」
「そんなことかよ笑」
「当たり前だろ、何のために黒澤が俺の家を訪ねたかわかんねぇじゃん」
そうか。
こいつ何だかんだでマジメだよな。
意外といいやつなんだろうな。
よし、手当て完了。
包帯を巻いてテーピングした。
「おぉ、せんきゅー」
「恭哉……」
「なんだよ改まって」
「ありがとな。
恭哉がいなかったら礼も怪我してただろうし…」
感謝の意を伝えると
「お、おぅ。
でも結局あんなことになっちまった。
俺がもっと強かったら、、くっそ」
恭哉は頭を手で覆った。
「あのさ、そのことなんだけど……」
そう、一番気になってたこと。
礼には聞けるわけがない。
聞くことによって蘇らせてしまうと思うから。
「礼は……神田にヤられたのか?」
もしここで“yes”と答えられたら俺はこの先、礼にどう接すればいいかわからない。
しかし、“no”と言われても礼がフラッシュバックしてしまいそうで許しが出るまで触れられないだろう。
意を決して聞いた答えは………
「最後までしてねぇよ。
ただ………」
答えは“no”だった。
「ただ?」
「ただ……、いや言っちゃいけないな、これは」
恭哉は言葉を濁した。

