保健室には保健の先生がいなかった。
仕方ないなぁ。
「そこに座って下さい」
意外にも素直に座る城之内くん。
あたしは保冷剤をタオルで包み渡した。
「とりあえず冷やして」
「あぁ…」
棚から湿布をとりだす。
「出血はありますか?」
「まぁ、ちょっと…」
じゃぁ、止血のために絆創膏っと。
あたしは絆創膏を貼ってあげた。
「痛い?」
「まぁ、でもさっきよりはましにまったよ。ありがとう」
城之内くんの口から
“ありがとう”
耳を疑った。
「今、ありがとうって言ったんですよね?」
「え、で?」
「いやー、珍しいなぁって…」
「じゃぁ、取り消すか」
な、なんて……
「いえいえ、嬉しいから」
あたしは笑顔で答える。
城之内くんは黙ったまま、
視線をずらした。

