「ただ今戻りました」
買い出しに行っていた佐伯とクラスの奴らが帰ってきた。
「あ、絵の具どうでしたか?」
あの女が陽に話しかけた。
「あぁ、これかな?」
絵の具を差し出した。
「これです、ありがとうございます!」
パァーッと明るくなった顔。
ふっ笑
単純だな。
佐伯は近くに生徒がいないことを確認し、女の耳元で何か言ったようだ。
女は顔を赤らめて睨んでいる。
ラブラブじゃん。
何で他の奴ら気づかねぇんだよ。
トン……
「っ!!!」
余所見したらしくじってしまった。
「恭哉ぁ、大丈夫ぅ?」
「大変じゃなぁぁい、あたしと保健室行こうよぉ」
「指、恭哉の指ぃ」
こんな時でもうざい女ども。
「大丈夫だよ、こんなの」
うっすらと血が出てるし痛いけどまぁ平気だろ。
「でもぉー…」
うっせーな。
「舐めってれば大丈夫だから」
あ、この答えかたはヤバかったか?
「じゃぁ、あたしがー」
「あたしもー」
案の定、こういう展開。
痛いな、これ、意外と金鎚痛いぞ。
指がジンジンしてきて
顔を歪めるが、気づくわけない女ども。
「城之内くん、大丈夫?」
肩を叩かれ、後ろを向くとあの女が立って心配していた。

