そんなあなたは先生でした…(上)


「ただ今戻りました」

買い出しに行っていた佐伯とクラスの奴らが帰ってきた。


「あ、絵の具どうでしたか?」

あの女が陽に話しかけた。

「あぁ、これかな?」

絵の具を差し出した。

「これです、ありがとうございます!」

パァーッと明るくなった顔。

ふっ笑
単純だな。


佐伯は近くに生徒がいないことを確認し、女の耳元で何か言ったようだ。

女は顔を赤らめて睨んでいる。


ラブラブじゃん。
何で他の奴ら気づかねぇんだよ。


トン……

「っ!!!」

余所見したらしくじってしまった。

「恭哉ぁ、大丈夫ぅ?」
「大変じゃなぁぁい、あたしと保健室行こうよぉ」
「指、恭哉の指ぃ」


こんな時でもうざい女ども。

「大丈夫だよ、こんなの」

うっすらと血が出てるし痛いけどまぁ平気だろ。

「でもぉー…」

うっせーな。

「舐めってれば大丈夫だから」

あ、この答えかたはヤバかったか?

「じゃぁ、あたしがー」
「あたしもー」

案の定、こういう展開。


痛いな、これ、意外と金鎚痛いぞ。


指がジンジンしてきて
顔を歪めるが、気づくわけない女ども。


「城之内くん、大丈夫?」


肩を叩かれ、後ろを向くとあの女が立って心配していた。