礼side
全然上手くいかない……。
『はいっ、カットォォォ!!』
脚本の三浦さんの声が響く。
只今、あたしはかぐや姫です。
問題が起きています。
その問題とは、
『なんで、礼ちゃんと城之内くんはそんなに上手くいかないの!!!』
そうなんです。
忘れていた方もいるかもしれませんが、
文化祭の劇であたしはかぐや姫を、城之内くんは5人の貴公子の1人なんです。
「ごめんなさい…」
「ごめんね、三浦さん…」
脚本の三浦さんは想像通りいかなくて苛立っている様子。
だって、ほんと上手くいかない。
無理だよ。
城之内くんとだと何故かダメ。
他の貴公子役さんとは全然大丈夫なのに。
『じゃぁ、先に帝とかぐや姫のシーンから行くわよ!
まずは、帝がかぐや姫に手紙を書くシーンね。
よぉぉーい、スタート!!!』
威勢のいい声で始まった。

