王子様 英愛side

やっぱり、入ってきたのは、さっきぶつかった男の子だった。

「さっきは、ごめんねっ?」
謝られた時、昔の事を思い浮かべてしまった。
我なりに、馬鹿な事をしたと思った…
表情にでていなければ良いが…。
席何処だかわかる?と聞かれたから、
黒板だって教えたら、そそくさ見に行った。
私も、となりを確認しようと思って、黒板を見ると、
「徳山」と書いてあった。
まぁ多分さっきの人では、ないと1人で確信していた。
その時、
「俺、隣の席だから、座っていい?」
それは、王子様。
さっきの男の子だった。
「…どうぞ…」
私は、なんのためにこの学校にきたか、
神様わかってるの!!!?
でも、話さなければ、いい話…
もう、前の様になるのは、こりごりだからね…。
私は、
男の子がうつ伏せになった時、
右腕をまくった。
我なりによくできた。
あの時に痛い思いは、ひとつもなくて、
たんに泣き続けていたから。
「「自分に負けるな」」
ある、男の子がくれた魔法の言葉。