あたし達に気付いた雄平は、起き上がって布団で体を隠すようにしながら、
「きゃっ!夜這い!?」
変な声色を使って、みんなを笑わせる。
「トランプで何してたの?」
恵と腕を組んで、さりげなく小宮の隣に座らせながら、そう尋ねる。
「大富豪。俺、今めっちゃ強いから」
小宮が手札を恵に見せるけれど、
「大富豪やったことない…」
その手札の意味がわからず、首をかしげる恵。
そこでひらめいたあたし。
「ねぇ、やり方教えてよ」
恵と腕を組んだのと逆隣に座っていたのは千葉だったので、
「千葉の、見てていい?」
「ん?ああ、いいけど」
千葉の方に寄り、必然的に、小宮が恵に教える状況を作る。
ここに来た目的をすっかり忘れているあたし達。
もっとも、それも形だけのものだったから、誰も気にしていない。
男子は大富豪を再開し、小宮はわりと丁寧に恵に説明しているようだ。
真剣な顔をして頷く恵。
なかなか良い雰囲気が出来上がり、満足するあたし。



