電車の座席もグループごとにまとまっていて、座席を回して女子四人で向き合い、通路を挟んで向こう側に男子四人が座っている。
お菓子を食べながらおしゃべりに夢中になっていると、美保が持ってきたトランプがいつの間にか男子に奪われていた。
男子に聞こえないように、ひそひそ話をする話題は当然、
「恵は、好きな人いないの?」
修学旅行の定番と言えば、恋バナ。
「い…いるよっ」
真っ赤になってうつむく恵。
「え!聞いてないよ!」
親友の美保でさえ知らなかった理由というのは、
「だ、だって、好きになったばっかりだから…」
横目でにらむ美保に、しどろもどろに言い訳する恵。
美保は怒ったふりをして、強気に問い詰める。
「で、誰なの?」
恵は困った顔をしながら、声をひそめる。
「絶対誰にも言っちゃダメだよ」
神妙な顔をして頷くあたし達三人。
「…小宮」
「「「えっ!?」」」
意外な名前に、思わず大きな声を上げてしまい、それが三人分重なって、
「何何?どーした?」
トランプをしていた男子がこちらに注目している。
もちろん、小宮も。
「きゃー!!」
恵が叫ぶ。
「め、恵、なにも叫ばなくても…」
思わぬ展開に慌てる女性陣と、いぶかしげな表情の男性陣。
「な、なんでもない、なんでもない!さ、トランプ続けて!」
そう言って何とか切り抜けるも、なんだか変な空気。



