きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




電車の座席もグループごとにまとまっていて、座席を回して女子四人で向き合い、通路を挟んで向こう側に男子四人が座っている。


お菓子を食べながらおしゃべりに夢中になっていると、美保が持ってきたトランプがいつの間にか男子に奪われていた。


男子に聞こえないように、ひそひそ話をする話題は当然、


「恵は、好きな人いないの?」


修学旅行の定番と言えば、恋バナ。


「い…いるよっ」


真っ赤になってうつむく恵。


「え!聞いてないよ!」


親友の美保でさえ知らなかった理由というのは、


「だ、だって、好きになったばっかりだから…」


横目でにらむ美保に、しどろもどろに言い訳する恵。


美保は怒ったふりをして、強気に問い詰める。


「で、誰なの?」


恵は困った顔をしながら、声をひそめる。


「絶対誰にも言っちゃダメだよ」


神妙な顔をして頷くあたし達三人。


「…小宮」


「「「えっ!?」」」


意外な名前に、思わず大きな声を上げてしまい、それが三人分重なって、


「何何?どーした?」


トランプをしていた男子がこちらに注目している。


もちろん、小宮も。


「きゃー!!」


恵が叫ぶ。


「め、恵、なにも叫ばなくても…」


思わぬ展開に慌てる女性陣と、いぶかしげな表情の男性陣。


「な、なんでもない、なんでもない!さ、トランプ続けて!」


そう言って何とか切り抜けるも、なんだか変な空気。