あたしは男子の輪の中に入って、
「みんなもう決まった?」
一応みんなに声をかける風を装うけれど、雄平の視線をとらえる。
あちこちから、
「俺達四人だけど」
と、自分達と組まないかという言葉が飛んでくるのは、たぶん香織目当てだろう。
うまく雄平たちと同じグループになれるだろうかと、不安になる。
すると雄平が、
「杏奈、約束通り集めといたぜ。この四人。そっちは四人になった?」
約束なんてしていないのに、そんなことを言う。
首をかしげていると、
「なんだ、もう決まってたの?」
他の男子が、あからさまにがっかりした声を上げた。
それで納得する。
雄平はもめないように計らってくれたんだ。
「じゃ、さっそく計画立てようぜ!」
雄平と他三人が、あたし達の集まる場所まで来てくれた。
香織はあたしにくっついて、
「ありがと!さすが杏奈!大好き」
と言ってくれた。
メンバーは、
「あれ?全員、応援団じゃん!」
森がみんなを指差して笑う。
よくよく見ると、言う通りだ。
男子は、雄平と、陸上部の千葉、いつも雄平と馬鹿をやっている森、おとなしいタイプだけど森と気が合っている小宮。
女子は、あたしと香織、夏休みの花火の企画もしてくれた美保、優しくてお姉さん的存在の恵。