それから一週間。
休み時間、あたしはいつものように席に着いたまま。
そう、“いつも”のように。
一週間経っても、あたしはひとりぼっちだった。
新しいクラスで生まれたグループもそろそろ固定される頃で、この時期を逃すと一年間孤立することになるというのに。
焦りと心細さから、声をかけてきた雄平に八つ当たりもしたくなる。
「杏奈、友達できた?」
「…うるさい」
さすがに雄平もムッとした様子。
「は?うるさいって何だよ。質問しただけだろー」
そんな雄平にあたしは逆ギレ。
「うるさいうるさい!いっつも一人でいるの、見ててわかってるくせに!性格悪いんだから!」
すると雄平は、
「ふっ」
小さく吹き出した。
「今、笑うとこ!?」
あたしの声は泣きそうになっていたというのに、雄平は笑いをこらえるように口をゆがめている。
「や、ごめん。なんか、かわいくて」
「は!?」
突拍子のない言葉に半ばあきれる。
でも悔しいことに、“かわいい”という言葉には反応してしまうもので、軽々しく口にしてしまう雄平を憎らしく思う。



