きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




それから一週間。


休み時間、あたしはいつものように席に着いたまま。


そう、“いつも”のように。


一週間経っても、あたしはひとりぼっちだった。


新しいクラスで生まれたグループもそろそろ固定される頃で、この時期を逃すと一年間孤立することになるというのに。


焦りと心細さから、声をかけてきた雄平に八つ当たりもしたくなる。


「杏奈、友達できた?」


「…うるさい」


さすがに雄平もムッとした様子。


「は?うるさいって何だよ。質問しただけだろー」


そんな雄平にあたしは逆ギレ。


「うるさいうるさい!いっつも一人でいるの、見ててわかってるくせに!性格悪いんだから!」


すると雄平は、


「ふっ」


小さく吹き出した。


「今、笑うとこ!?」


あたしの声は泣きそうになっていたというのに、雄平は笑いをこらえるように口をゆがめている。


「や、ごめん。なんか、かわいくて」


「は!?」


突拍子のない言葉に半ばあきれる。


でも悔しいことに、“かわいい”という言葉には反応してしまうもので、軽々しく口にしてしまう雄平を憎らしく思う。