きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




ホタルは、きれいな水がないと生きられないと聞いたことがある。


その存在の尊さと美しさに、涙が出そうになった。


「俺が見つけた特別な場所。たぶん誰も知らないぞ」


雄平が誇らしげに言う。


“特別な場所”…。


「そんな大切な場所を、あたしに…?」


「おう。杏奈だけ特別だからな。誰にも言うなよ」


その言葉に、胸がきゅっとしめつけられる。


心の中で、雄平に問いかける。


あたしのこと、特別だって思ってくれてるの?


ねえ、雄平。


雄平にとってあたしって、どういう存在…?


雄平の横顔を見つめるけれど、暗くて表情が見えない。


胸が苦しくて、息が詰まりそうだった。


「さ、そろそろ戻るか!みんなに気付かれちゃうもんな」


そう言って雄平は歩き出す。


もうあたしの手を引いてはくれなかった。


その背中に言う。


「雄平、ありがと。うれしかった」


雄平は振り返り、照れくさそうに笑った。