きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




雄平に手を引かれたまま、二人で暗闇を走った。


雄平の手のひらに、あたしの手のひらがおさまっている。


前に手首を掴まれた時と違って、手を、繋いでいる。


あたし、初めて雄平と手を繋いでいる。


茂みをかきわけるように、神社の横を抜けた。


「足元、気をつけて。川あるから」


だんだんと暗闇に目が慣れてきて、薄ぼんやりした月明かりの下、小川が流れているのを知る。


「あ!」


雄平が小さく声を上げた。


そして立ち止まり、あたしの方を振り返った。


「杏奈、あれ」


雄平がうれしそうに茂みを指差す。


その先に目をこらす。


するとそこに、いくつもの、光の点があった。


「…ホタル?」


「そう!」


その光は、ホタルが放つものだった。


淡い光が、優しく、ゆっくりと、点滅を繰り返す。


初めて見るその光景に、言葉を失う。


この街にホタルがいたなんて知らなかった。