「見て見て!めっちゃドラゴン並べた!」
美保は置き型の花火を全て「ドラゴン」と呼んでいるらしく、地面には等間隔に様々な種類の置き型花火が並んでいた。
「点火しまーす」
この花火大会を企画してくれた美保が代表して、火を灯した手持ち花火を使って、ドラゴンの列に順番に火を移していった。
ジュッと大きな音を立てて、光の柱がいくつも立ち上る。
こうしてたくさん並べてみると圧巻だ。
「すげー!」
「綺麗だねー」
見とれるみんなの顔が、花火の光を受けてゆらゆらと揺れている。
ふいに、耳元で小さな声がした。
「杏奈」
雄平だった。
「なに?」
つられて小声で応えると、
「ちょっとこっち来て」
と言ってあたしをせかす。
「え、ちょ、なんで?」
どうしていいかわからないあたしは、きょろきょろと回りを見渡す。
みんなは花火に見入ったまま、あたし達のやりとりには気付かない。
「早く!」
手をぐいっと引かれた。
そして、そのまま走り出す。



