雄平と香織のことを考えながらぼんやりしていると、
「はい、杏奈」
突然、目の前に差し出された手持ち花火と、雄平の顔。
「え、あ、どうも」
しどろもどろになりながら、数本の花火を受け取ると、雄平があたしの顔を覗き込む。
「どーした?疲れた?」
ちょっと心配そうな顔を見て、思った。
あたしは淋しかったのかもしれない。
香織と雄平が仲良くなって、取り残されたように感じていたのだと思う。
でも雄平は、こうしてあたしのささいな変化を見逃さない。
それは、きちんとあたしのことも気にかけてくれているということだ。
「全然!元気だよ」
あたしは笑顔を取り戻す。
「さ、花火やろ!」
「おう!」
あたしは雄平と一緒に、みんなの輪に向かって走った。



